「ニューロトレーナー」による対戦競技「bスポーツ」のサービス検討

もちろん、ニューロトレーナーの開発には、新たな問題点やその解決案が必要となりますので、その開発費獲得や地方自治体の関心度を探るために、所属機関である産総研の地元・茨城県つくば市が募集していた「令和元年度つくばSociety 5.0社会実装トライアル支援事」に応募することにしました。この時、つくば市の特徴を調べたところ、日本全体の傾向どおり、高齢者が増加しているだけでなく、若者人口も結構多く(つくばエクスプレスの開通の影響)、人口構成が二極化していることに気づきました。せっかく若者も多いのであれば、高齢者だけでなく若者も参加できるアクティビティを目指した方が、街全体で盛り上がる気がしたのです。それが、bスポーツというどこかで聞いたようなネーミングになったことにも関係しています。これが功を奏して、何とかこの事業に採択してもらえることになりました(採択5課題中、公開審査会に参加した市民による人気投票ではトップでした)。事業規模はそれほど大きくはなかったのですが、つくば市役所の皆さんの手厚いサポートがあり、市役所内に市民を集めて実験をさせて頂いたり、つくばミニメーカーフェアに参加することをプレス発表して頂いたりして、イベント会場でたくさんのbスポーツ体験の希望者で賑わうことになりました(市長さんにもブースに来てもらって体験してもらいました)。つくば市事業での予備実験の成果をもとに、科学技術振興機構(JST)の令和3年度未来社会創造事業(探索研究)にも採択され、分担機関の名古屋大、福井大、筑波大の共同研究者の先生方とともに、装置の高度化やコンテンツの充実、本格的な実証実験の実施などを行う機会を得て開発に弾みがつくことになりました。なお、bスポーツの技術紹介動画は第24回文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門で審査委員会推薦作品に認定されました(2021年)。以下にこれらのニューロトレーナーの開発とそれを用いたbスポーツによるサービス検討に関して具体的な取り組みをご紹介します。

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